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プラスチックフィルムの表面改質とは

プラスチックフィルムの表面改質とは

ポリエチレンなどのプラスチックフィルムは表面に極性基が無く、接着剤やインクなどに対て親和性がありません。

プラズマ放電を行うと気体中の原子や分子が電離し、フィルム表面の分子の化学結合を切断、親水性の官能基(O, N, OH)等を吸着しやすくなります。

接着・塗装の前処理として、これら官能基を吸着させ“ぬれ性を向上させるプロセス” を表面改質処理といいます。

プラスチックフィルムの表面改質処理用途

プラスチック表面の改質処理は、接着、塗装、印刷に不可欠な前処理のため幅広く利用されていますが、近年は高機能フィルム向け・半導体製造向け用途が急拡大しています。

ラズマ表面改質処理装置とその性能評価方法

プラズマ表面改質処理は、対象となるプラスチックフィルム材料とプラズマ化させるガスの種類が多様なため、その処理装置の性能評価は実際にプラズマ表面改質処理されたフィルム面の改質度合いを測定することにより行われます。

プラズマ表面改質処理のイメージ

プラズマ表面改質処理は、高機能フィルム分野をはじめ工業用として様々な分野で活用されています。

(例:高機能プラスチックフィルム、プリント配線板、プラスチック製品一般 など)

現状の表面改質度評価方法

1. 表面ぬれ性評価

・ぬれ試薬インクペン

・液滴接触角測定

2. 表面改質状態測定

・XPS分析装置

・蛍光分光光度計、他

現在の評価方法は、手作業と分析装置に二極分化しています。

いずれもサンプル採取による測定(抜き取り検査)のため、評価の即時性、生産ライン上での品質管理としては効率性で問題があるとされています。

表面改質状態測定装置“Caisits”の概要

プラスチックフィルムの表面改質状態を非接触、非破壊で連続測定する事を目的とし、2014年度から3年間かけて近畿経済産業局補助事業の戦略的基盤高度化支援事業によって開発した製品です。京都大学様との共同開発により誕生しました。

“Caisits”の原理と構成

プラスチック表面に微弱な紫外線を照射し、放出される蛍光量を受光センサーで検出し表面改質度を定量的、連続的に測定します。

“Caisits”が新たに実現すること

非接触、非破壊、連続測定

サンプル切り出しやインクが不要なため、プラスチックフィルムを破壊せずに測定できるため“Caisits”を生産ライン上に設置することで連続測定(品質モニタリング)することも可能

表面改質状態のグラフィック表示

PCソフトウェア処理によりプラスチックフィルム面全体の改質度分布をグラフィック表示し、プラズマ処理装置の改質性能(強度/分布)を迅速・容易に判断できる

測定データの外部出力

測定データを外部インタフェース出力し、データを使用してプラズマ改質処理装置をリアルタイム制御することも可能

高い測定信頼性、既存測定法との相関も検証済み

“Caisits”の測定信頼性については、平成28年度サポイン事業の中で既存測定法との比較を行い、分析装置と高い相関を持つ検証結果が得られています。

技術・製品の独自性

* 蛍光により表面改質状態を評価する原理は古くから知られているが、“分析機器”ではなく、「非接触」、「非破壊」、「連続測定」が可能な“産業用計測器”として市場化したのは“Caisits”が初めてです。

*表面改質状態は肉眼で判断できないため、従来は液滴インク等を用い目視で行われる手法が用いられてきましたが、“Caisits”はデータ出力とソフトウエア処理などを活用することにより、改質強度・分布の定量的測定を実現しました。

“Caisits”を用いることにより、生産現場において要求が高い、「使用するプラスチックフィルム材料とガスのフィッテイング」を行いながらの評価を実現します。

現在市場には同様の機能・性能を持つ測定装置は存在せず、弊社オンリーワン技術です。

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