樹脂硬化収縮率応力測定装置Custronに関する質問10選 Vol.2
ここでは、これまでユーザー様からお寄せいただいたご質問を、順次ご案内します。
以上の内容に当てはまらない場合は、お気軽にこちらの問い合わせフォームよりご連絡ください。
①測定数n=2以上を推奨する理由
→Custronを使った測定実験の場合、硬化途中でのサンプルの割れ、被着体からの剥がれなどの要因(一例として酸化進行と被着体との応力差による剥離)、また材料からの
ボイド発生により実験不成立となる可能性が有ります。そのため、最低2回、同じ測定を行うことを推奨しております。望ましくは3回測定し、その結果に差異が認められなければ測定成立とするのが望ましいです。
②加熱時、装置自体が膨張、収縮してしまい硬化収縮率が変化してしまうことは無いか?
→装置の設計上影響はございません。
③収縮応力のロードセルの検出する力は引張の力でしょうか?
→この応力測定方法では、樹脂の硬化挙動によって、検討力は引張か圧縮になります。
収縮時は樹脂にプローブが引張られる力を検出し、膨張時は樹脂にプローブが押される力を検出します。
④検出する力は試料上部のロードセル部分のみ?
→本測定方法での検出力は試料上部のロードセル部分のみの力です。樹脂は底のガラスとサンプルホルダの側壁から剥がれない場合、
底のガラス面に面する部分およびサンプルホルダの側壁か接する部分が固されている定ので、底面と側壁面の収縮による力が小さいか、またはほとんどないと思われます。
⑤底面および側面については剥がれない限りは付着しているだけであるため無視できるという認識でよい?
→はい。
⑥サンプルの粘度の上限値は?
→サンプルホルダーに流し込める樹脂の粘度となります。従いまして通常は80000cps程度です。
また、全固体のサンプルを測定する場合もあるのですが、その場合はサンプルをφ10mmに打ち抜いてサンプルホルダーに入れて収縮率を測定します。
お客様にてご判断が難しい場合はお気軽にお問い合わせフォームからお問い合わせください。
⑦測定時、万が一基板から樹脂が剥がれた場合、それをリアルタイムで検出できる機能はありますか?
→測定中に界面剥離が起きる事は接着剤と基材(通常はガラス)の親和性が悪い時、内部応力とのバランスが崩れた時に発生します。そうしますと、連続測定中のデータが膨張側に大きく変化しますので、データを見ればわかります。(測定途上でもわかります)
⑧この測定は型に流し込むサンプリング法であるため、側面と下面が拘束されていて、上面の高さの変化を変位として検出する様に見えるのですが、側面の取り扱いはどの様に考えたらよいでしょうか。
→樹脂は下面拘束(接着)状態ですので、収縮は縦収縮に限定されます。通常は樹脂と基材面(側面)が電子的に吸着状態にありますので、内面にはがれることは起きません。JIS K 6941には、側面に隙間ができると誤差が大きくなると記載しておりますが、今後、そういう樹脂も出てくる可能性を鑑み記載しております。
どちらかというと、反対に縦収縮とともに壁面に密着した成分がメニスカスとなって、それが誤差を生む要因となることが考えられます。
JISの補足にも記載がありますが、メニスカスが大きい場合は別途、計算して収縮率の補正が必要となります。
⑨色の影響は?
→ございません。
⑩測定間隔について
→標準1sec、0.1secまで設定可能です。
お問い合わせは24時間受信可能でございます。問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
その他のご質問についてはVol,3以降でご案内いたします。
樹脂硬化収縮応力測定装置「CUSTRON」は、UV硬化樹脂・熱硬化樹脂・エポキシ樹脂・UV接着剤・UVインク・コーティング・ワックス等の硬化に伴う硬化収縮率・収縮応力を連続測定できる樹脂硬化収縮応力測定装置です。
UV照射→加熱→冷却など昇温、降温の熱プロファイルをプログラムにより自由に組み合わせ設定が可能。
製品製造過程において様々な熱が加わる場合や、長期経時における様々な環境に置かれる製品が受ける収縮率、収縮応力を再現します。
※デザインは予告なく変更する場合がございます
『JIS K6941 紫外線硬化樹脂及び熱硬化樹脂の収縮率連続測定方法』
経済産業省に掲載のページはこちら。
【特許取得済】特許第5848109号「樹脂硬化収縮測定方法」
【特許取得済】特許第6654078号「応力の測定方法」